2026.02.24
研究レポート
ベルーガにおけるケストース投与による整腸作用
- #水生生物
- #腸内フローラ

- 飼育下のベルーガに対して、ケストースを30日間投与しました。
- ケストースは1粒400 mg配合のカプセルを25粒ずつ、1日2回投与しました(1日あたり合計20 g)。
- ケストース投与により、糞便中の炎症との関連が報告されているTuricibacter属細菌の相対占有率が低下し、その病原性と関連のあるコラゲナーゼ遺伝子量が有意に減少しました。
- 併せて、血中クレアチニン濃度およびカルシウム濃度が有意に減少し、ベルーガの正常範囲に収まりました。
背景
近年、海洋哺乳類の福祉に対する関心が高まり、動物園や水族館での飼育下にある動物のケアや健康管理に力が注がれるようになっています。当社の先行研究において、ニホンウナギやマゼランペンギンといった水生動物に対してケストースと乳酸菌を併用投与することでその腸内環境を改善することができました。そこで本研究では、水族館で飼育されているベルーガ(Delphinapterus leucas)に対してケストースを投与し、その整腸作用を評価しました。
試験内容
水族館で飼育されているベルーガ3頭に対し、1粒400 mgのケストースを配合したカプセル剤を1回25粒、1日2回(1日あたり合計20 g)を30日間投与しました。投与前後の糞便と血清を採取し、細菌叢の解析や血液検査を実施しました。
結果と考察
糞便の解析から、ケストースの投与によりTuricibacter属細菌の相対占有率が大きく減少しました(図1)。この細菌は宿主の炎症との関与が報告されていることから、この細菌の病原性と関連があるコラゲナーゼ遺伝子も定量したところ、こちらも有意に低下しました(図2)。血清の解析から、血中クレアチニン濃度やカルシウム量が有意に減少し、ベルーガにおける正常範囲に収まりました(図3, 図4)。このようにケストースはベルーガにおいても整腸作用を示す可能性があり、海棲哺乳類の健康管理への活用が期待されます。

(左から)
図1 Turicibacter属細菌の相対占有率(引用文献 Fig. 3より再構成)
図2 コラゲナーゼ遺伝子量(引用文献 Fig. 3より再構成)
図3 血中クレアチニン濃度 [mg/dL](引用文献 Fig. 4より再構成)
図4 血中カルシウム濃度 [mg/dL](引用文献 Fig. 4より再構成)
いずれも*は摂取前(0週)と比較してp<0.05
引用文献
Fujii et al. (2025) Administration of 1-kestose to beluga reduces intestinal Turicibacter and collagenase gene levels, and blood creatinine levels. The Journal of Veterinary Medical Science. 87(2): 152-159.
https://doi.org/10.1292/jvms.24-0131
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