2026.02.24
研究レポート
GTF酵素に対するCIの結合解析と阻害機構の理論的検討
- #GTF阻害
- #in_silico

- 計算化学により、虫歯菌が持つGTF酵素に対するCIの抑制メカニズムが示唆されました。
- GTF酵素に対する親和性はα-1,4結合のオリゴ糖よりもCIのようなα-1,6結合のオリゴ糖の方が高くなりました。
- さらにα-1,6結合のオリゴ糖がGTF酵素との結合するために重要な3つのアミノ酸が見出されました。
背景
CIはGTF酵素と相互作用することにより、グルカンの伸長を阻害することが知られていますが、CIがGTFに相互作用する部位は不明です。そこで本研究では、CIはGTF酵素のグルカン結合部位に相互作用することで阻害活性を引き起こすと仮説を立て、CIとGTF酵素の相互作用を計算化学的手法により検討しました。
試験内容
本研究では虫歯菌 (Streptococcus mutans) が持つGTF酵素の1つであるGTF-SIのグルカン結合部位とオリゴ糖の複合体についてシミュレーションを実施しました。オリゴ糖はα-1,6結合の環状オリゴ糖であるCI、α-1,4結合の環状オリゴ糖であるCD(シクロデキストリン)、α-1,6結合の直鎖オリゴ糖の3種類で、いずれも7つのグルコースが結合したオリゴ糖を使用しました。
結果と考察
シミュレーションの結果、α-1,6結合を持つオリゴ糖はGTF-SIの1282番目のQ残基、1284番目のK残基、1302番目のS残基と強く作用し、α-1,4結合のオリゴ糖よりも親和性が高いことが判明しました。このことから、CIのようにα-1,6結合を持つオリゴ糖はグルカン結合部位に特異的に作用する可能性が示唆されます。
以下の2つの動画は7個のグルコースからなるCI (CI-7) とCD (CI-7) (緑色)がGTF酵素のグルカン結合部位(青色)とどのくらい作用しやすいかをシミュレーションしたものです。赤色で示している部位がCIが強く作用する3つのアミノ酸残基です。CIは動画の最後までGTF酵素から離れませんが、CDは動画の25秒ごろから離れてしまいます。
動画1 CI-7(緑色) – GTF酵素のグルカン結合部位(青色)相互作用の時間推移シミュレーション動画(引用文献Movie S1)
動画2 CD-7(緑色) – GTF酵素のグルカン結合部位(青色)の時間推移シミュレーション動画(引用文献Movie S2)
引用文献
Imamura et al. (2024) Computational study on the inhibition mechanism of cyclodextran against GTF-SI from Streptococcus mutans focusing on the glucan-binding domain . Carbohydrate Polymer Technologies and Applications. 7: 100473.
https://doi.org/10.1016/j.carpta.2024.100473
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