2026.02.24
研究レポート
マゼランペンギンにおけるケストースと乳酸菌の併用投与による整腸作用
- #併用投与
- #水生生物

- 飼育下のマゼランペンギンに対して、ケストースと乳酸菌を8週間併用投与しました。
- 1日あたりケストース400 mgと乳酸菌2×1010 CFUを8週間投与しました。
- 併用投与により、糞便中の乳酸菌量が若齢ペンギンにおいて増加し、病原性菌であるウェルシュ菌量が若齢および高齢ペンギンにおいて減少しました。
- 併せてウェルシュ菌の毒素関連遺伝子の発現量が有意に減少しました。
背景
動物園や水族館で飼育されている海洋哺乳類や鳥類では、腸内環境の乱れによる下痢や感染症が課題となっています。とくにマゼランペンギン (Spheniscus magellanicus) では抗生物質に頼らない健康管理の手段として腸内環境を整える方法への関心が高まっています。そこで本研究では、ケストースと乳酸菌 (Lactiplantibacillus plantarum FM8株) 死菌体の併用によって、腸内環境にどのような効果があるかを評価しました。
試験内容
水族館で飼育されている17羽のマゼランペンギン(3歳未満の若齢ペンギン8羽と17歳以上の高齢ペンギン11羽) に1日あたりケストース400 mgと乳酸菌の死菌体2 × 1010 CFUを8週間併用投与しました。投与前後の糞便を採取し、糞便中の細菌叢の解析を行いました。また、糞便中のウェルシュ菌 (Clostridium perfringens) の毒素関連遺伝子であるplc遺伝子量をqPCRで測定しました。
結果と考察
8週間の併用投与により、若齢ペンギンの糞便中の乳酸菌量(Lactobacillaceae科)が有意に増加しました(図1)。また、若齢および高齢ペンギンにおいて、糞便中のウェルシュ菌量が有意に減少しました。このことから糞便中のplc遺伝子を定量したところ、若齢ペンギンにおいて有意に減少していました(図2)。このようにケストースと乳酸菌死菌体の併用はペンギンの腸内環境を整え、病原菌のリスクを低減する手段として有効である可能性が示されました。

図1 Clostridiaceae_222000およびLactobacillaceaeの相対占有率 [%]
*は摂取前と比較してp<0.05 (引用文献 Fig. 2より再構成)

図2 plc遺伝子量
**は摂取前と比較してp<0.01 (引用文献 Fig. 3より再構成)
引用文献
Fujii et al. (2024) Co-administration of the prebiotic 1-kestose and the paraprobiotic Lactiplantibacillus plantarum FM8 in magellanic penguins promotes the activity of intestinal Lactobacillaceae and reduces the plc gene levels encoding Clostridium perfringens toxin. The Journal of Veterinary Medical Science. 86(2): 193-201.
https://doi.org/10.1292/jvms.23-0238
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